市場に出回る全ての海苔は細かく等級・種類(ランク)分けされております。 それらの情報は消費者の皆様には開示されておりませんが、 海苔屋にとってはこの等級・種類(ランク)情報は非常に重要な情報で、 時にはその原料の用途を決定付ける場合もございます。 しかし、その等級・種類(ランク)情報は産地によって設定が異なったり、 年によって品質が異なったり、 収穫時期によって美味しさが異なったり、 とせっかく等級・種類(ランク)で細かく分けているにもかかわらず相対的に格付けされるため、 それだけの情報では実はあまり意味をなしません。 消費者の皆様にそれらの情報を開示しないのは半分くらいそれが原因かもしれません。 とはいえ、例えば厚めの海苔、薄めの海苔、穴の多い海苔、少ない海苔など、 種類分けされた上で格付けされるので、種類の絞り込みには役立っています。
現在海苔業界における等級・種類(ランク)の役割りは、あくまでも原料を仕入れる上で、 限られた産地、時期において海苔を格付けする情報となります。 残念ながら消費者の方が中途半端にそれらの情報を持っていても特に意味がありません。 なぜならその情報だけでは海苔の美味しさを決定できないからです。 現在世の中の多くの方に誤解されている「有明産」という文言、 これも海苔の美味しさを示すものではありません。 極端にいうと「国産」と書いてあるのとたいした違いはありません。 有明産であることが海苔の美味しさを決定しているわけではないからです。 結局海苔の美味しさを知るためには、何度も申し上げているように、 「産地」「等級・種類(ランク)」「収穫時期」の全ての情報が揃わなければなりません。 等級・種類(ランク)情報は海苔の美味しさを知る上で3分の1の情報でしかありません。